読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

なつみ憂のブログ

主に本や映画について。高学歴ニート→Webデザイナー

「アメリカン・スナイパー」の感想をくっちゃべる

評判最高!「アメリカン・スナイパー」の感想

アメリカン・スナイパー

イラク戦争の英雄を題材にした実話、「アメリカン・スナイパー」

アメリカで大ヒットしながら、議論の的になっている映画「アメリカンスナイパー」を観てきました。イラク戦争で160人の敵を殺し、英雄と讃えられた男の実話を基にしたという映画。

感想の結論

・戦争映画として最上級に楽しめる。文句無く面白い。

・ただし「アメリカ万歳」系の映画ととられてしまうのは仕方ない作り。

・意図的に表層と深層をぱっくり分けて、意図的に議論を呼ぶような映画にしたという可能性もある。

・なのでイーストウッド好きなら画面を注視して様々なメッセージを感じとるべし。

以下、これらについて色々書いていきます。重大なネタバレがあるような映画ではありませんが、終盤の内容についても書いていますので、知りたくない方はご注意下さい。

 

「アメリカン・スナイパー」についてくっちゃべる

 

公開日に行ってきました。やっぱりかなり混んでて、客層は映画好きそうな人から普通のカップルのお客さんまで色々でしたね。

 

アメリカで論争の的になっていることは、一般には知られているのかな?

 

どうなんでしょう、そんな空気は日本には無いですけどね。普通に戦争映画を楽しみに来たって言う雰囲気でしたね。

まず、エンタテインメントとして最上級に面白い

 

映画の中身としてはどうだったんだい?

 

そういう政治的な事を抜きにしても、文句無しに面白いと思います。最近のアメリカ戦争映画だと、「ローン・サバイバー」とか「フューリー」とか良かったんですけど、「アメリカンスナイパー」はやっぱり図抜けてると思います。

 

ほう、かなり高評価!

面白いけど深い、という事

 

というかね、もちろん全然難しい映画じゃないし、普通に観て面白いんですよ。戦争映画だし実話ベースなのでこういう言い方はギリギリですけど、「エンタテインメント」として本当にしっかりしている。やっぱりね、アメリカ人の作家っていうのはこういう所をよく分かってますよ。日本みたいに「商業的だけど頭カラッポな作家」と「賢そうだけど客呼べない作家」に二分されない。例外として三池崇史とかいるけどね。

 

確かにイーストウッド映画って示唆に富んだ作品でありながら、それと関係ない所でも楽しく観れちゃうよね。

お約束、序盤の訓練シーン

 

まずお約束ですけど、序盤のシールズの訓練シーンは良かったですよ。「フルメタルジャケット」がお手本ですが、ああゆう訓練シーンで「教官が訓練生に罵詈雑言を吐きまくる」っていうのが異様に好きなんですよね、僕。

 

決して道徳的では無いけど、独特のものがあるよね。

 

あそこもっと長くてもよかったぐらいですね!というのは言い過ぎですが。こういう訓練シーンしかり、戦争映画に人々が求める要素っていくつかあると思うんですけど、そういうのをキッチリ抑えつつも、決して品性を失わない当たりがさすがだな、と思いますよ。

ブラッドリー・クーパーは100点満点でしょう

 

ブラッドリー・クーパーがムキムキになってたみたいだけど。

 

「世界にひとつのプレイブック」とか「アメリカンハッスル」の印象からすると、最初は「ホントにクーパー?」って思うほど見た目が変化してますね。もう別人て感じです。でも、ブラッドリー・クーパーってその二作品でも、「精神が不安定でないと安定出来ない男」のようなものを上手に演じてたんですよね。今回もまさにそういう人間へ変貌していく話で、そこら辺もばっちりだったんじゃないですかね。

 

実際のクリス・カイルとも結構似てるみたいだね。

 

うん、そういう所は映画の最後でわかります。あとはキャストで特筆する事はそんなに無いんだけど・・。映画が進行するに従って、PTSDを患った人が多く出てくるんですけど、まあ一目で「この人精神やばい」ってわかるんですよね。パッと見は普通なんだけど、どことなくおかしいぞ、みたいな。イーストウッド映画はこういう所のキャスティングというか、演出がすごく上手い。「ミスティックリバー」でも最初に出て来る変態の男がすぐに変態だと分かるんですよね。本当にリアルです。

意図的に論争のネタになる作りにした、という可能性もある

 

「アメリカ兵を英雄視している」っていう批判に関しては、実際に観てみてどうだった?

 

僕の考えですけどね、イーストウッドは全部その辺意図的にやってきてますね。彼がそんな単純な映画を作るはずがないという事は、分かる人には分かる訳で。でも逆に「アメリカは悪かったんですごめんなさい」みたいな作りにしてもそれはそれで別の問題が出て来る。

 

意図的に議論を呼ぶ様な作品にしたのかな。

 

そう考えてみるのが面白いんじゃないか、ってぐらいですけどね。一種の踏み絵として作用し得ます。普通に観れば「クリスカイルは天才!英雄!われらがアメリカ人!」ていう結論ですよ。でも、さっきのPTSD演出しかり、「分かる人だけ分かってね」みたいなメッセージが全体的に配置されています。ただそのバランスで言えば、少なくとも一般的な日本人からすると「アメリカ万歳の戦争映画」ととられてしまうのが妥当でしょうね。

 

「戦争や殺人を経験すると心が蝕まれていく」というのがイーストウッド作家としての大きなテーマの一つだもんね。

スナイパーってかっこいい

 

アルカイダが極悪でアメリカが正義ってのが、ちょっと必要以上に強調されすぎています。ただ、この映画のエンタテインメントとしての快楽も確実にそこから発生しているので、こういう所は逆に観客が葛藤すべき部分ともいえますけどね。ほんとね、クリスが狙撃しまくるシーンは胸が踊ってしまうんですよね。完全にヒーローに見えちゃうし、ホントにどんどん格好良く見えて来る。

 

「スターリングラード」もそうだけど、スナイパーって戦争映画の中でも独特のカリスマ性みたいなものがあるよね。

戦闘中に妻に電話

 

細かい所の話だとねえー。例えば主人公が戦闘中に妻にバンバン電話かけるところとか驚きでしたね。僕は電話嫌いでよほどの事が無い限り誰かに電話しないんですが、ライフルでイラク人に照準を定めながら妻と和気あいあいと電話するっていうのは凄かった。

 

銃声を聞かせることも厭わない。

アメリカンスナイパーから考える「戦争」と「日常」の相互浸透

 

あとはまあ、クリスがどんどん変貌してく様子を注意してみるのが面白いんじゃないですかね。この映画ではずっと「戦争」と「日常」のカットバックで構成されているんですよ。序盤は訓練と恋愛、中盤以降はイラクと家庭って感じで。

 

クリスは全部で4回イラクに派遣されてるんだよね。

 

うん。最初はクリスには確固たる日常があって、文字通り平和に暮らしている。でもイラクに行くようになって、徐々に「日常」が「戦争」に侵食されていくんです。日常そのものが変化していくので、実は普通に見えるクリスの家族も、結構おかしな事になっていっているんですよ。だってリボルバーの銃口を向けて下着脱げって、いくらテキサスでも普通じゃないんじゃないですか?でもクリスはもうそういう風にしないと落ち着かなくなっていて、家族もそれが普通だと考えていたってことですよね。

 

クリスも精神をやられていたけど、クリスを介してクリスの周辺の人々にも影響が及んでいるってことか。

 

こうやって考えるとね、遠い国で起きている戦争って、自分に関係の無い話では全く無いんですよね。あらゆるものを媒介として、その影響は及んできますから。本当に説教臭い結論ですが「他国の戦争って他人事じゃないよ」ってことがよく分かる映画です。

 

 

関連記事

おすすめの映画ランキング ベスト15をご紹介 

感動できる深い映画27作品を感想付きでご紹介します

実話に基づいた映画 11本のおすすめ作品をご紹介

アクション映画のおすすめ! 厳選の17本をご紹介

韓国映画のおすすめの7作品をご紹介します! 

サスペンス映画 ゾクゾク来るおすすめの13本をご紹介します

恋愛映画はこれがおすすめ! 心に残る7本をご紹介

 

ゴーン・ガールの感想やら何やらをネタバレ気味にしゃべります

ミュータント・タートルズの感想をネタバレ全開でくっちゃべります